2008年2月28日木曜日

新たなGISへの取り組み


1 はじめに
 GISの利用分野は、今後も大きな広がりが期待される。特に、商圏分析、道路網、交通の分野で、地図を利用したまちづくりに、興味をいっそう深く、調査、検討、研究し課題をまとめる。

2 地図を利活用した、まちづくり
 地域の歴史・文化・まちづくりと観光は、色々研究がなされているが、地図の上から、いろいろと考えられ、研究がなされているようである。
 GISの利用分野は、交通の分野に、今後も大きな広がりが期待される。国の機関ではCALSの導入や電子申請システムの構築などが進み、また、地方自治体においても電子自治体の実現に向け、各種の情報化施策が進められている。
1. 統計情報のデータベース化とマップ化
2. 台帳データの電子化とGIS化
この2つに絞って、地図を利活用したまちづくりに、管理システムを導入しているのがみられる。

3 商圏分析
 店舗の利用客の住所データが入手できる場合、そのデータを利用して店舗の商圏を地図として表示する事が可能となる。店舗の商圏は、店舗がどこから顧客を集めているかを明らかにすることともに、今後の営業戦略を立てるときに有用な情報を提供する。

4 まちづくり利活用で道路網の空間分析
 まちづくりには、道路網の空間分析が必要である。測定、道路幅員の空間分布の分析、一般建物に対する前面道路幅員の分析といった空間データから成り立っており、位相構造化さあれたものである。

4.1 道路網と道路総延長距離、道路密度の測定
道路網の道路とは、大縮尺の地図にポリゴンとして表現された道路でなく、ラインとして抽象化され
た道路中心線である。このような道路網の空間データは、さまざまなGISベンダーや地図会社から販
売されている。

4.2 道路幅員の空間分布の分析
 道路の発達状況を、道路密度の側面からだけで捉えることが可能となる。もし、道路幅員のデータが入手できるならば、道路幅員を考慮した道路の発達状況を捉えることが可能となる。
 
4.3 一般建物に対する前面道路幅員の分析
一般建物がどのような幅員の道路に面しているかを分析することは、生活環境や防災の上で有効である。建物が狭小道路に面している場合には、生活環境の面では車の出し入れが不便であり、防災の面では消防車・救急車などの侵入を阻害する。

5 まちづくりに地図を利用
  本屋に行けば、あらゆる種類の地図を手に入れることができる。各種の地図にはそれぞれの利用目的があり、目的に合った情報が地図の中に表現されている。利用者にとって必要十分な情報を、1枚の紙面の中でいかに見やすく表現するかという技術は、地図作成者の重要なノウハウである。
 近年、コンピュータの画像処理技術の進歩により、パーソナルコンピュータの画面に地図を表示し、加工・処理することが可能になった。そのデジタル化された地図にデータベースが統合してうまれたのが地図(地理)情報システム(GIS)である。GISの利用は、施設管理分野を中心に発展してきたものであるが、最近では都市計画、防災計画、環境計画など行政における意思決定や、コンビニエンスストア、ファストフーズといった店舗の経営計画などにも多く用いられるようになってきている。

6 まちづくりでの課題
 日本には、さまざまな地域資源を有した個性豊かな地域が数多くあるもの、それらを活化しきれず、停滞や衰退に悩む地域も少なくない。
 まちづくりには、基盤整備、商業、工業、農業等の産業振興、観光振興など、さまざまな分野で多様な手法が考えられるが、地方分権の時代にあっては、従来からの国による一律の支援策に頼るのではなく、どの施策がその地域に有効な施策となるかを考え、独自の施策によって地域資源を活かしたまちづくりを行い、地域の活性化を図ることが重要となっている。
 また、まちづくりを担うのはもはや行政だけでなく、住民、コミュニティ組織、NPO、その他民間セクター等との協働や相互の連携が必要である。
 さらには、政策立案支援ツールとしてのGIS利用や情報の共有・公開、プロセス間連携による電子自治体の実現、徐々にではあるが、実用化に向け進歩を続けている。それらのシステムが連携することで、描がかれている将来の姿に近づくのであるが、まだ課題は多く残されている。
 その課題に向けて、道路網整備、再開発事業計画、土地利用計画、防災計画、環境計画、公共交通機関のルート選定、営業情報計画、マーケッティング、観光案内他、情報サービス地形解析とおおざっぱに、GISの導入を考えられてきている。
平成7年1月の阪神・淡路大震災の反省等をきっかけに、政府において、GISに関する本格的な取組が始まった。その中核となる取組が、国土空間データ基盤の整備である。
 ハードウェア、ソフトウェアの低価格化が進み、簡易なGIS導入が可能になる一方で、地図データ等については、電子化されていない、データ仕様が異なり利用できない等の問題があり、GISを導入する主体が、各々整備する必要があり、社会的には二重、三重の投資となる等の問題があった。このため、GISの利用に必要な、国土に係る骨格的なデータを、国土空間データ基盤と位置付けて、道路、鉄道等と同様に、高度情報通信社会の社会基盤と考え、その整備を図っていく必要性が認識され始めた。
国土の現況を把握し解析するだけでなく、社会基盤整備事業の分野では、業務の効率化、高度化に大きく寄与し、先に述べた「環境への配慮と自然との調和を図った社会基盤の整備・管理」を支える強力なツールとしてその役割は大きい。しかしながら、ほとんどのGISデータは、個々の業務単位で作成されてきたため、その相互利用や情報の共有、さらには効率的なデータ更新が困難な状況にあり、行政のみならず民間での次世代情報基盤としての利用を大きく妨げており、これらの諸問題を解決するための技術開発が緊要な課題となっている(注1)。

注  
(1)国土交通省総合技術開発プロジェクトGISを活用した次世代情報基盤の活用推進に関する研究総合報告書平成1 5 年3 月国土交通省まえがき参照。
 


参考文献
(1) 高阪宏行・関根智子著『GISを利用した社会・経済の空間分析』古今書院 2005年9月5日 p70-86.
(2) 町田聡『GIS・地理情報システム:入門&マスター』山海堂 2005年3月15日 p121.

0 コメント: