2008年3月23日日曜日

国家行政論



『近代国家の成立と発展について述べよ。』

1 はじめに
 政治の構造については、内外ともに激動の波にあらわれた。国際的には、東ドイツの統一、東欧の民主化、ソ連邦の解体、EUの発足などがあり、さらには局地的な紛争が引き続き発生した。
 一方、国内的には、自民党一党支配の終焉、連立内閣の成立、政党の再編成、選挙制度の改正などを経験してきた。
行政国家とは、政府が社会の秩序維持にとどまらず、一定の理念の実現を目指して国民の生活、経済活動の在り方に積極的に介入しようとする国家をいう。立法国家、消極国家、夜警国家と対比される。
また、バブル経済が破綻し経済の建て直しのために政治の力量が問われもしてきた。こうした変転する現代の政治社会に対応すべく、近代市民社会から大衆社会への変化において、国家の機能が如何に変遷してきたかを考察し、近代国家の成立と発展について述べたい。

2 近代市民社会
 近代市民社会は、シェイエスが『第三身分とは何か』の中で、従来政治的地位がゼロであったと指摘する第三身分すなわち」市民によって構成される社会である。市民社会は経済的には資本主義に立脚し、自由競争もしくは自由放任主義的な経済活動、および自由主義的な基本権が市民に保障された社会である。
近代国家の担い手は第三身分としての市民であり、市民の代表者が構成する議会は教養と財産とを有する名望家の議会であった。そこでは教養と財産とをもたない市民以外の国民大衆による政治参加はまだ実現されなかった。
 
3 大衆社会
 第三身分、つまり同質的市民から構成されていた従来の近代市民社会はこうして崩壊し、資本家と労働者との対立に見られるような異質的な階級分化の社会が誕生するのである。このような資本主義の進展に伴う流動的な経済状況を背景として新たに登場してきたのが「大衆」である。この大衆は、持続的な結合関係をもたず、非合理的で感情的な影響力に身をさらしながら暗示によって左右される群衆心理をもつところの未組織の集団である。この「大衆」が新たしい社会の担い手となっていくのである。

4 国家の機能
 国家は社会とその成員である国民を「統治(govern)」することが主たる機能であり、その機能は一般に「政府(government)」がになうものである。
 社会の秩序と安定を維持するという国家の機能は、一国単位で見れば国内の統治機能あるいは国内政治ということができる。

5 資本主義社会の発展
 初期資本主義に基礎を置く近代市民社会は、19世紀末から20世紀初めにかけて大衆社会へと推移する。その変化については近代市民社会の形成に見られるような市民革命などの明解な分岐点はないが、その背景には経済的・社会的および政治的要因があるように思われ、それらが大衆社会の特徴にもなっている。

6 おわりに
 近代市民社会から大衆社会への変化において、国家の機能が如何に変遷したかにおいては、近代デモクラシーは合理的な、理性的な公衆による自発的選択によって政治的秩序が再生産される。という理念で基礎づけられていた。政治の世論が大きな変化をもたらしているように考える。如何にして、国家がどう機能するかによって、大きく変化していくことが考えられる。

1 参考文献
(1) 関根二三夫・岩井奉信・黒川貢三郎・杉山逸男・外山公美・松木修二郎著『教養政治学』南窓社 2005年3月31日 p85-93
(2) 関根二三夫・泉淳・小川原正道・櫛田久代・倉島隆・田村充代・渡辺孝著『問題発見の政治学』八千代出版 2004年4月15日 p64-67.p221-222

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